「茶の湯」展にて。
2017.05.30
上野の東京国立博物館 平成館にて開催中の「茶の湯」展へまいりました。
室町時代から現代にいたるまでの名品が、これほどまでに集められたのは
実に37年ぶりだという。
もはやこの次は無いという気持ちで、出かけてまいりました。
それにしても、並ぶは並ぶ、数々の名品揃い…
数百年の時を経てもなお色褪せない魅力には、ため息が出るばかりです。
館内やや薄暗いような計算された灯りが照らす中
青磁の輝きは一層うつくしく洗練されてみえました。
足利義政が愛した青磁茶碗「青磁輪花茶碗 名 馬蝗絆」
手のひらで咲く花のようなフォルムが、可憐な印象。
足利義政の手にあったとき
ヒビが入ってしまったため、
中国へ替わるものを求めたところ、
もはやこれほど美しい青磁を作ることができないとして
鎹を打って送り返されたと伝わります。
鎹を大きな蝗に見立てこの名がつきました。
ひとりひとりの感性に響く一品に出会える、大茶の湯展でございます。
東京国立博物館 平成館にて
6月4日(日)まで開催中です。