「東京日和」より。
2017.10.30
荒木陽子さんの書く文章が好きです。
とくに、「東京日和」に編纂されている“ヒマワリのぬくもり”が一番いい。
1990年1月27日に、子宮肉腫によって43歳に逝去されるその直前に遺されたことばです。
-夫はこんな私を慰める為に、いつも大ぶりなイキイキした花束を抱えてやってきた。一抱えもあるような背の高いヒマワリは見事だった。夫の去った後、鮮やかな黄色の炎のようなヒマワリを見ていると、確かにそこには夫の姿やぬくもりが感じられ、私はいつまでも見つめ続けていた。人の思いというのは存在する、本当に存在して、疲れた者の体と心をいやしてくれるんだ、と私はこの時いやというほど感じ入った。涙がボロボロ流れ出してなかなか止まらなかった。(後略)
これは、その一部です。
この部分になると、文字がにじんでしまうので
もう何度も読み返しているのでした。
昨日の大雨がなかったような青空に
これを東京日和というのかしらと思いつつ
このときの陽子さんは、
きっとしあわせだったんだろうと納得している。