「旅する練習」
2021.03.21
植本一子さんがTwitterでたびたび上げていた「旅する練習」
芥川賞候補作にもなっていて、先の文藝春秋にある選評を読んでから手に取りました。
ネタばれな選評を恨めしく思いつつ、一子さんの高評価が気になって読みました。
サッカー少女と小説家の叔父。ふたりは、利根川沿いに、鹿島アントラーズの本拠地を目指す旅に出る。
時は、2020年3月。コロナ報道が始まったころの街を、ひたすら徒歩でいく旅は、
サッカー少女の素直さと、旅で出会った女子大生のやり取りが微笑ましい
「この旅のおかげでわかったの、本当に大切なことを見つけて、それに自分を合わせて生きるのって、すっごく楽しい」
帯に引用されたこの言葉の意味は、読み終わるまでわかりませんでした。
鹿島へは、鹿島神宮へ一度だけ訪れたことがあり、記憶のなかの景色をたどりつつ
小説家の叔父が文章で起こすスケッチを感じてみたり
このごろ私は、
大切なことを見つけて、それが仕事にならなくても
大切なことがあるだけで、もう十分なんだとおもうようになりました。