「百歳の力」
2015.09.02
美術家 篠田桃紅著「百歳の力」を、読了。
そして、これは今後も味読していこうと思います。
印象的なことばがいくつもございました。
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私が古今東西の画家の中で最も尊敬する一人、
葛飾北斎は次の言葉を残しています。
「私は六歳の頃から、ものの姿を絵に写してきた。
五十歳の頃からは随分たくさんの絵や本を出したが、
よく考えてみると、七十歳までに描いたものには、ろくな絵はない。
七十三になってどうやら、鳥やけだものや、
虫や魚の本当の形とか、
草木の生きている姿とかがわかってきた。
だから、八十歳になるとずっと進歩し、九十歳になったらいっそう奥まで見極めることができ、
百歳になれば思い通りに描けるだろうし、
百十歳になったらどんなものも生きているように描けるようになろう。
どうぞ、長生きされて、この私の言葉が嘘でないことを確かめていただきたいものである。」
私も生きてるうちにやりたいことはどんどんやろうと思っています。
まだ、ふと心にかつて見ない。
美しい線が走り抜けるように感じるときがあり、
それを可視のかたちにしたいと思い、
それは一種、熱望というような希いでもあり、
この老い、老いさらばえた私の心を駆り立てます。
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著者100歳を超えて語ることばは、
なによりも力がみなぎるよう。
駆り立つ想いを、いついつまでも持てますように。