「暮しの手帖」より
2013.01.21
母の代から読み継がれている雑誌。
「暮しの手帖」より、佐藤雅彦さんが執筆されている『考えの整とん』が、
単行本化されています。
これは、冒頭に収録された第一話で、
引き込まれてしまった興味深いエピソード。
以下抜粋・・・・・
中学生の時の事である。父兄参観日の前日のホームルームでこんな意見が出た。
「先生、明日、これわかる人って問題だすの、やめてほしい。
俺、絶対手を挙げられないから、母親が恥をかく」
それに対して、先生は、ちょっと考え込んで、こんな策を提案した。
「じゃぁ、わからなくてもわかっても手を挙げろ、ただし本当にわかる人はパーを、
わからない人はグーをだせ」
かくして、父兄や見廻りの校長・教頭が目を見張るほどの活気あるクラスが
当日できあがった。
そこで父兄が見たものは、なぜか、いきいきとした楽しいクラスの様子だったと思う。
先生の機智に富んだ企みの下、私たちは何か愉快だった。
答えがわかる者もわからぬ者も平等に愉快だった。
・・・・・
「たくらみ」の共有と題されたこの回は、
読み終わったときに、何故かワクワクしてきました。
このたくらみは、喜びの共有でもあるんですね。
真似したくなりました。