「若い読者のための世界史」を読む。
2017.05.14
今日は、おやすみなので読んでいる本のおはなしを。
「若い読者のための世界史」エルンスト・H・ゴンブリッチ著 中山典夫訳
上下巻からなる文庫本で読んでいます。
原始から現代までの世界の歴史を、
美術史家の視点で優しくかみ砕くように書かれています。
およそ2百万年前に生きた、最初の人間のことから始まって
ヨーロッパやエジプト、アジアに起きた戦いの歴史や文化の成り立ちを
体系的に、俯瞰して眺める良書。
丸暗記しかしなかった歴史を恥ずかしく思いつつ、
長い長い時間旅行をたのしんでいます。
時折り、記憶にとどめておきたい一節に合うたび
それについて考えてみたり。
「そしてある日、明るい森の空き地に立つイチジクの樹の下に座っているとき、彼にさとりが訪れた。とつぜん彼は、何年もかけて問いつづけてきたものを理解した。(中略)だれに対してもひとしく親切であること、だれからも何ももとめないこと。このようにして、あらゆる欲望の主人になりえた者は、その死後二度とこの世に来ることはない、とブッダは説く。」
祖父はふたりとも、寺の住職をしておりました。
涅槃ということばを何度となく耳にしていましたが、
その意味をいまのいままで考えたことがありませんでした。
ふたりとも、あの世で目を細めているでしょう
なんとまあ、長い時間がかかったものです。