「春になったら苺を摘みに」
2017.08.20
広い青山ブックセンターを巡るなか、ふと目が合った本。
「春になったら苺を摘みに」
星野道夫さんが撮影された霜の降りた草木の写真と
題字の色とのバランスが、とても美しくて目に留まりました。
梨木香歩さんの文章に初めて触れる好奇心も手伝って
1959年生まれの著者初めてのエッセイを。
「理解はできないが、受け入れる」それがウエスト夫人の生き方だった。「私」が学生時代を過ごした英国の下宿には、女主人ウエスト夫人と、さまざまな人種や考え方の住人たちが暮らしていた。ウエスト夫人の強靭な博愛精神と、時代に左右されない生き方に触れて、「私」は日常を深く生き抜くということを、さらに自分に問い続ける―物語の生まれる場所からの、著者初めてのエッセイ。
まだ訪れたことのない国、イギリス。
シェイクスピアを生んだ国。
すこし前、日が沈まない国として名を轟かせた覇者。
雨の多い、いつも雲がかかった国。
頭に浮かぶこの程度の印象なら、軽々と吹き飛ばす
風が抜けるような文章に
すぐ引き込まれていきました。
「できないとどこかでそう思っていても、諦めてはならないこともある。」