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「ベスト・エッセイ2019」

2019.07.09 Tuesday

書家 華雪さんの投稿で知り、「ベスト・エッセイ2019」を読んでいます。

 

日本文藝家協会が編纂する昨年出版されたエッセイのなかの優れたものずらり

読んできた作家の文章もあれば、はじめて触れる作家のものもあり

いまを生きるおとなたちの感じ方の違いを、まざまざと感じられる面白さに浸かっています。

 

なかに、批評家 東浩紀さんの文章に心奪われ、記憶のために…

 

-(前略)同裁判については多くの記録が残っており、プラトンも『ソクラテスの弁明』という有名な対話編を記している。同書はたいへん短く、文庫でも手に入るのでぜひいちど読んでほしいが、ソクラテスにむけられた非難の要は、おまえはなんかあやしい。嫌なことをいう、みんなの空気に水を差す、だから死ねというものである。犯罪の具体例はなく、噂による感情の暴走だけがある。それは、現代のSNSで頻発するリンチとまったく変わらない。対するソクラテスの法廷弁論はじつに論理的なのだか、もっとも心を打つのは、彼が、人々が論理では勝てないことをよく承知し、それについてもはっきり語っていることである。彼は、人々が論理を選ばないことをよく知っていた。しかしそれでも論理を選び、死刑を受け入れるのだ。

プラトンはこの「失敗」から出発し、晩年に壮大な理想国家論に取り組むことになる。その試みの意味は、二千四〇〇年を経たいまもまったく色褪せていない。人間は論理的ではない。話あえば正しさが実現するわけではない。すべての政治と哲学は、この前提から始まねばならない。-ソクラテスとポピュリズム「日本経済新聞 五月十八日夕刊

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