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歌集「ここはたしかに」

2020.07.31

笹本碧さんの遺歌集「ここはたしかに」を読んでいます。

通読し、もう一度味わいたいと読み返しています

31文字から広がる宇宙を、この歌集ほど感じたことはなかったから

 

周囲の協力を仰ぎながらも、ご自身の生命保険を使って作りたいとした歌集は

栞には敬愛する俵万智さんが文を寄せ

ご両親がまとめられた年譜まで収録されていてもはや歌集の域を超え

身体に入れるように繰り返し読みたくなるものでした。

 

普段口にしそうな言葉が、こんなにもうつくしい

口ずさむと涙がにじむのはどうしてだろう

 

以下、笹本碧歌集『ここはたしかに』より(私の感想を添えて)

 

偶然は積み重なって丸くなるここはたしかに地球の上だ

 

(芸術家オノ・ヨーコさんの『this line is a part of a very large circle.』を思い出しました。アートだと言われても納得できる歌)

 

この星を離れる日にも見てみたいこんなに赤い夕焼け空を

 

(ヴィクトール・E・フランクル『夜と霧』でも、ふと目にした夕焼け空に心が動いたとの一節がありました。一日の終わりを告げる夕焼けを、これ以上の憧れをもって伝えることができるだろうか)

 

私って可愛がられていたんだなぁひとつひとつにそのことを思う

 

(堂々と発表したくなるほどに、心の底から感じた無償の愛だと思いました。この歌が収められていたことで、どれほど救われたか)