ひとの心を種として。
2013.04.29
お客さまからのエピソードをきっかけに、
古今和歌集 仮名序に触れることができました。
たまには、平安時代の暮らしに思いを馳せるのもいいものです。
ひとの心の機微や抒情、自然を愛しむ心を、
歌に託した いにしえを 想う日。
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倭歌は、人の心を種として、
よろづの言の葉となぞれりける。
世の中にある人、ことわざ繁きものなれば、
心に、思ふことを、見るもの聞くものにつけて、
言い出せるなり。
花に鳴く鶯、水に住むかはづの声を聞けば、
生きとし生けるもの、いづれか歌をよまざりける。
力もいれずして、
天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思わせ、
男女の仲をもやはらげ、猛き武士の心をも
慰むるは歌なり。
古今和歌集 仮名序 角川文庫版より
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