「かか」
2021.01.30
芥川賞を二作目にして受賞した宇佐美りんさんの一作目は、
世に見いだされるきっかけになった作品だとおもい
ぜひこれを読んでおきたいと、手に入れました。
宇佐美りん著「かか」
河出書房新社が続ける文藝賞の2019年第56回受賞作品。
装丁が佐藤亜沙美さんなのもマル
読み始めて、読むのをやめたくないと思うほど圧倒され
いったいなんだこれは?!と、読み終わったいまも、整理できないままでいる。
口語と「かか弁」とした独特な方言が入り混じるなか
そりゃ見聞きすることだって経験のひとつだとは思うけど
この表現を、この感覚を、どうしたら1999年生まれで備えることができるのだろう
やっぱりこれは持って生まれた才能というのだろうか
―熊野のなかの那智には、いざなみがいると言います。うーちゃんはこの国を生んだ母であるいざなみに会いたいと思いました。人の祈りをいっしんに受けるかみさまがけっして人間であってはいけんように、かみさまのすむ土地も人智の及ばんものでなくてはならん。神や仏の手のひらに水掻きができたり、死んだあと復活したりするんは、一般のなんてことない人間のことは誰も信じれんからでしょう。新興宗教でも身体浮かしたりとか聞くけんど、なぜそんなパフォーマンスが必要かって、その「奇跡」を起こさんと超人になれんからです。-
よもや頭にうごめく思考があったとしても、
ここまで上手くそれを表されたら、もう、うなるしかない。
どんな考えや思いも、それを表すことができなきゃ無いのと同じだ。
宇佐美りん、これからも追いかけたい。