上間陽子著「海をあげる」
2021.11.20
電車内で涙が止まらなくなるのはいつぶりだろう。
Twitterに釣られて購入したノンフィクション「海をあげる」
上間陽子さんのまだ幼い娘を想いながらの言葉に…感動したのです。
―これからあなたの人生にはたくさんのことが起こります。そのなかのいくつかは、お母さんとお父さんがあなたを守り、それでもそのなかのいくつかは、あなたひとりでしか乗り越えられません。だからそのときに、自分の空腹をみたすもの、今日一日を片手間でも過ごしていけるなにものか、そういうものを自分の手でつくることができるようになって、手抜きでもごまかしでもなんでもいいからそれを食べて、つらいことを乗り越えていけたらいいと思っています。そしてもし、あなたの窮地に駆けつけて美味しいごはんをつくってくれる友達ができたなら、あなたの人生は、たぶん、けっこう、どうにかなります。(続く)「海をあげる」“美味しいごはん”より
母の想いとはこういうことか…
私たち夫婦に子どもはいないけれど、母が子に注ぐ愛情が文章としてうつくしいと感じました。
文章には、そのひとが全部現れていて、うつくしい文を読んだとき、かなわないなあと思うのでした。