「神も仏もありませぬ」
2022.02.24
いま持ち歩いている本。佐野洋子著「神も仏もありませぬ」が面白い。
作者が北軽井沢に移住した65歳の時に書かれたエッセー。
まだ乳がんが見つかる前だったのでしょうか
歯に衣着せぬ物言いがそのまま表れていて、実母のこともどうどうと呆けたという。
―仕事なんぞしたくもないのだ。金の心配をしながら、九十まで生きたらどうしよう、呆けたらどうしようと、暗闇に突っこまれた様になったが、ひどくたびたび突っこまれても、考えたからって、どうなるものでもなかった。一生懸命心配しても呆けない保証もなく、もしかしたら百二歳まで生きてしまうのを止める事も出来ず、今運よく心臓発作におそわれるかも知れない。しかしそれは人の力をこえる事だった(続く)
自分がどう死ぬかいつ死ぬかは、知りたいけど知りたくない。
生まれたからには必ず死ぬのに、それが一番怖いのでした。
まして、呆けたらどうしようなんて、考えだしたら不安しかなく
考えても仕方ないのと、あきらめるまで堂々巡りを繰り返すのです。