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巨大な原発事故に遭遇した人びとの証言集「チェルノブイリの祈り」

2022.03.18

「完全版 チェルノブイリの祈り 未来の物語」

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ著 松本妙子訳

巨大な原発事故に遭遇した人びとの証言集。2015年ノーベル文学賞受賞。

 

1986年4月26日午前1時23分に、その事故は起こった。人間の想像力をこえる巨大な惨事に遭遇した人びと。彼らの語る個人的な体験、苦悩をとおして放たれる切なる声と願いを。作家は被災地での丹念な取材により書きとめる。消防士の夫を看取る妻、事故処理にあたる兵士、動物を処分する猟師、汚染地に留まりつづける老婆、戦火を逃れてきた難民、そして子どもたち―。歴史からこぼれ落ちた小さな声の数々が響きあい、未来の物語がつむがれる。旧版より大幅な増補改訂が施された完全版。

 

この事故のニュースは記憶にあります。

連日報道され、新聞の紙面を大きく占めていたから、事の重大さをその量で推し量る。

ただ、はじめて耳にする遠く離れた異国での事故は、日々起きている交通事故のニュースに等しく

世間知らずの当時の自分がそのことについて、考えることは無かったのでした。