ソラの
SNS

ひとのこころを種にして。

2014.04.19

遥か1,000年もむかし、

ひとびとが歌にその気持ちを乗せて

伝えていた時代。

 

紀貫之の綴る

仮名序が生まれました。

 

わたしはこれが

「言葉」のはじまりではと

そんな気がしています。

 

ことばは、

たくさんのひとが自由に操れるもの。

それは確かに、そのひとのこころに浮かんだものが

カラダから出て、周りに伝わっていく。

 

言葉は、良薬にも、禍にもなって。

 

このカラダを幹として

これから先も無数の葉をつけ

やがてその葉が落ちていくとき

豊かな土となって還れるよう

こころに残ることばを見つけられたらいいな。

 

・・・・・

倭歌は、人の心を種として、

よろづの言の葉となぞれりける。

世の中にある人、ことわざ繁きものなれば、

心に、思ふことを、見るもの聞くものにつけて、

言い出せるなり。

花に鳴く鶯、水に住むかはづの声を聞けば、

生きとし生けるもの、いづれか歌をよまざりける。

力もいれずして、

天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思わせ、

男女の仲をもやはらげ、猛き武士の心をも

慰むるは歌なり。

 

古今和歌集 仮名序 角川文庫版より

・・・・・

 

写真は、鈴木康広さんの「紙の葉」を撮りました。

0827