グリム童話とそのころの世界。
2014.11.01
「ヘンゼルとグレーテル」を、読んでいます。
1800年代の初頭、
ヨーロッパで暮らす人々が語り継いできた童話集。
ここに収められている物語のいくつかは、
その当時、周辺各地で類似するものがあったという。
日本が江戸時代の終わりを迎えるころの世界は、
ひとびとは、どんな暮らしをしていたのでしょう。
「137億年の物語(クリストファー・ロイド著)」によると、
大多数の人々は飢えと貧困と病に苦しめられていたという。
長く続く戦争で、塗り替えられる地図。
王侯貴族や聖職者、商人兼海賊といった裕福な人々と
貧しい民衆との格差は、
ヨーロッパと植民地で繰り広げられた戦争のせいでいっそう広がったと
書かれています。
そんなことを頭の後ろに抱えながら
もう一度、ページをめくると。
童話に込められた人々の願いが
しんしんと雪のように降ってくるように感じられて。
子どもたちが健やかに暮らせますよう。
いつまでも平和でありますよう。
悪いひとは、いつかこの世界から居なくなりますよう。
子子孫孫まで、未来が続くように
心から願っていたからこそ
この物語が今も残っているのでしょう。
そのころの人々のおかげで、
いまのわたしたちがあるのですね。