2020.09.30 Wednesday
「おくのほそ道」は一読したぐらいでは到底読んだとは言えないけれど
いまそれを遥に遡る「万葉集」に手を伸ばす。
その時代に生きた先人たちの、愛と悼むこころの響き
あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る (20 額田王)
―美しい紫色を染め出す紫草の野を行き、立ち入りを禁じられた野を行き、野の番人が見るではありませんか、あなたがしきりに私に袖を振るのを。
添えられた解説を読んでようやくすこし理解でき、
もう一度音読すると、古の世へイメージが膨らむような
そうでもないような
2020.09.28 Monday
竹内結子さんの訃報を目にしたとき、まっさきに浮かんだ作品が「黄泉がえり」でした。
2003年に公開されたとき、劇場に足を運んだことを思い出します。
死んでしまったら、蘇るなんてことはもう無いけれど
イモトアヤコさんとふたりで写るInstagramを思い出し
誤報であって欲しいなと、このニュースだけはそう思う。
妹から届いたグループLINEには、亡くなった祖父の言葉があって
「生きるのは苦しいけど、死ぬのはもっと苦しいんだ」
与えられた命をまっとうできますように
どうか連鎖しませんように
ご冥福をお祈りいたします
2020.09.27 Sunday
とにかく視野が狭い。考え始めるといつも堂々巡りを繰り返す。
考えてもしょうがないような、ちっぽけなことばかり気になって
気になりだしたら最後、もう頭のなかはそのことばかり…むむ
というとき、わたしは部屋にいたら掃除を始め、天気が良ければとにかく歩く。
身体を動かすと、占領されてたもやもやがいつの間にか薄れていく(ような気がする)
自分の気分を変えるのは、もはや誰でもない自分にしかできないと
気づいたのはいつだっただろう
「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」の著者、
東田直樹さんのインタビューを読んだことも影響していたのかもしれません。
Q:生きるのがつらい時、どうしたらいいでしょうか?
A:どこかに出口があるとは考えず、じっと立ち止まってください。
そして、昨日と同じ1日を過ごしてください。
つらい気持ちと向き合おうとしなくても、人は生きていけます。
あなたが悪いわけではないのです。
人は与えられた環境の中で、精いっぱい生きなければならない動物です。
たとえ、自分の精いっぱいが他の人と違っても、恥ずかしいことではありません。
(きょうもよい一日を)
2020.09.26 Saturday
公開された「ミッドナイトスワン」を渋谷東宝シネマズで観てまいりました。
格子状に着いた席で4割の観客は、途中なんども目頭を押さえるひと。
すすり泣きながら前を見るひとがあちこちで、そういう私もハンカチを手に。
見終わってからというもの、正直言ってまだ、なんと表現したらいいのか迷っています。
凄い、というだけではあまりにも稚拙。
思い出されるシーンは夢を見ているようにうつくしくて。
目を覆いたくなるほどに残酷で
目頭を押さえてしまうほどにあたたかくて
ほっと胸を撫でおろす場面も数多くあり
胸躍る、まさに白鳥が飛び立つ場面は背筋が伸びる思いになった。
懸命に自分をまっとうしようと、もがく姿が胸を打つ。
ひさしぶりにスクリーンで観る草彅剛さんのお芝居と、見出だされた服部樹咲さん
こころが大きく揺さぶられる作品です。