ソラの
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「ソラとハナ」長月。

2023.09.10

(ハナノヒト太田瑞穂さんによる月に一度の連載です)

長月。

この言葉をみるとホッとします。ああ、ものすごい暑さも今月で終わるなあと。先日、ソラの信子さんに「酷暑もおしまいだから。」と言ったら「酷暑って言葉で聞くとなんだか二十四節気みたいね。」といわれ、「あら、ホントだわ。言葉のオンだけだとなんだか風情があるような感じに受け止められるわ。」とくだらない話で笑う二人のおばさんでした。猛暑だとそうはいかないのですけどね。コクショっていうオンがいいんでしょうね。

いつの間にか蝉の声が聴こえなくなり、朝一番にいつもの鳥の声、夕暮れから虫の音。いつもの鳥達も暑い時は全く庭にいらっしゃらず、大丈夫かなと心配していましたがよかった、よかった。蛙さんはさすがにお見掛けすることが少ない夏でした・・・。元気かしら、蛙小路の蛙さん。

少し朝の気温が落ち着いてくると庭仕事をやろうかなと私は思うのですが、皆さんはいかがですか?台風の様子をみながら、伸び放題の枝をきったり、花がらを片づけたり、草をむしったり。この伸び放題の朝顔はどうするかなあと思ったり。バジルもそろそろと・・・。

夏の終わりは、秋から冬、そして春への庭仕事の序章、はじまりなのです。ベランダでも玄関先でもテラスでも大きなお庭でも、仕切り直して、さあ、始めようの季節です。まずはさっきも書いたようにお掃除、お片付け。これだけでもすっきりした気分になるのだけれど、使っていなかった鉢を洗ったり、鉢植えをのせる台を見直したり、園芸本を手に取ってみたり、インスタのいろいろなお庭を見てみたりとまずは妄想から。カレル・チャペック大先生の本やモネの庭、ターシャ・テューダー師匠が手を付けやすいかと。妄想だから、まずは妄想ガーデン。

妄想ガーデンに身をゆだねて、園芸店やホームセンターに行くと秋まきの種や秋植え球根が入荷していて、ドキドキワクワクしてしまうのですが、そこはまだまだ、心落ち着けて深呼吸。自分の技量と庭仕事にかける時間を考えて、現実に戻るわけです。バジルの大きな鉢には次に何を植えようかな。3鉢ある朝顔の鉢には何を植える?ベコニアの鉢には?ヘリオトロープの鉢には?と1年草の鉢を数えながら、秋の始まり、気温が下がって元気になった蚊に刺され考えを巡らせるのが9月の仕事。

小さな庭でも、ベランダでも、玄関先のちょっとした場所でも、鉢植えを一つ置けば、そこは立派な私のお庭。庭の花や草木を摘んで飾る楽しみのために、庭のハーブをお料理に使う楽しみのために、何よりも自分の気持ちがゆったりとするために、気負わずのんびりと初めて見るのもいいと思います。ソラの植木も秋の手入れをそろそろやろうかな~と思っているハナノヒトでした。