「ソラとハナ。」師走
2023.12.10
(ハナノヒト太田瑞穂による月に一度の連載です)
師走
ひと月お休みをいただきました。夫の兄が急逝し、なんだか気持ちがざわつく毎日を送っていました。義理兄と直接会った回数は7回。SNSだけは繋がっていたので互いの近況はその更新を流し観ているという、現代的と言えばそれまでなのですが、そんな関係でした。これから年を重ねて夫と兄の関係も少し変わっていくのかなあ、なんて呑気な思いもありました。このことがあり文章を書くことも整理がつかなかったのです。
今年最後のソラとハナ。何を書こうかと考えたのですが、花の仕事をしていますと11月12月によく聞かれることがありました。「年賀欠礼の葉書が届き、花を贈りたいけれどどうしたらいいか。」という事と「喪中だからお正月のお飾りとお正月花はどうしたらいいのか。」のこのふたつ。私自身が忌中喪中の今、この場所をお借りして私が普段お話していることを書き記しておこうと思います。
まず、年賀欠礼でお亡くなりになった事を知り花が贈りたいというお話。どちらかというと年齢を重ねた方からご相談を受けます。私は忌中(四十九日前)かどうかをまず伺います。地方によって違いはありますが、忌中の場合は白に少しお色の入ったアレンジメントなどをお勧めします。忌中を過ぎている時は、お話を伺いながら花を選びます。季節の花鉢、淡い色合いのシクラメンを贈られる方もいらっしゃいました。亡くなられた方への供花でなく、ご家族を亡くされた方へ少し気持ちが和らぐようにと贈られたと記憶しています。そういう気遣いもまた、ご関係によってはいいものだなあと思いました。このような花を贈る時は、是非メッセージカードをご用意され、メッセージを添えて贈られることをお勧めします。より一層、お気持ちが伝わりますから。
次に喪中のお正月飾り、花はどうするのか問題。お正月の松入り榊や松入り仏花は駄目よ、お正月飾りは控えるようにと花屋のお客様に伝えるように私は教えられていました。30年前の話。難しいですよね、土地柄、宗教、そしてなにより、自分自身と家族の気持ち。まずはご家族の年上の方に尋ねてみることが大切です。私自身、今回は義理父に尋ねてみました。すると無宗教のような状態だから自分達の考えで過ごしなさいとのことでした。義理父は仏教の家で育ち、義理母は神道の家、義理兄夫婦は???
我が家は静かに年越しを過ごすことにします。いつものように家の中を少し整え、松飾り、玄関飾りはせず、花は季節の花を飾ろうと考えました。八百万の神様達に今年のお礼と新しい年を見守ってもらえるように、歳神様が近くにいらした時にちょっぴり気づいていただけるかなあ。
すこしでも皆様のお役に立てたらと今年最後に記しました。
よいお年をお迎えください。