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「ソラとハナ」如月。2024

2024.02.10

(ハナノヒト太田瑞穂さんによる月に一度の連載です。)

如月。

春の気配が立つという立春が過ぎ、でも2月は1年で一番寒い日が多いですね。先日の雪大丈夫でしたか?

我が家の庭では、芽を出していたクロッカス、ヒヤシンス、チューリップや花芽を沢山つけていたビオラやパンジーがみんな雪の綿帽子を被っていました。でもね、この寒さが春の花をきれいに咲かせてくれるので、雪の綿帽子がゆっくりとけていくのを見守っていました。本当ですよ、寒さにあたるとしっかりした間延びしない色の綺麗なとてもいい花が咲くのですよ。そして、私は朝から張り切って蛙小路という名の我が家へ続く路地の雪かきをしていました。雪国育ちだから得意です。ガチャピンの足みたいなスノーブーツを履いてやる気満々。

さてさて、この季節は前にもお話したように花屋さんは春の花で大賑わい。誰でも知っている花も多い季節。チューリップ。スイートピー。アネモネ。フリージア。ラナンキュラス。そしてミモザアカシア。どんな花か頭に浮かぶことでしょう。そういう花は手にとっていただきやすい。知っているから買いやすいでしょう。

先日のソラさんに生けたお花、私が春先に大好きな花、ツルバキア。さあ、どんな花でしょう。1輪挿しにぴったりの小さな愛らしい花です。花屋の時も市場でみかけると必ず仕入れていました。春のツルバキアはTulbaghia simmleri ツルバキア・シムレリという名でツルバキアフレグランスともいわれ、優しい香りがします。小さな花で優しい香り、そして花が意外と長く咲いている。どんな花かな~と見てみたくなりませんか?

春はそういった花も多い季節なのです。知らないとつい見過ごしてしまう、いや、知らないから手にとらないという事って絶対あると思います。私も含めて花の仕事をする人たちがもっともっと伝えていかなきゃと思います。深く反省しているの。

この季節だけの花が春は本当に多いから、みんなちょっと冒険してみて!
だってもったいないから、お部屋に飾らないのは。春の花、気持ちがすごく上がる気がするし。

実は私も八百屋さんや魚屋さんで知らないものに出会うと、手にとらず、尋ねもせず、逃げていたんです。この間、スーパーの魚売り場で「シラカワ」という魚の切り身に出会って、売り場の担当の若い男性に尋ねたら、「白い皮の甘鯛で美味しいですよ。おすすすめします。お料理は・・・」といろいろ詳しく教えて下さって。家に帰って食べたら、とっても美味しい。尋ねてよかった~!!勉強になったなあと思いながら、あれっ?花もきっとそうだなあと思ったのです。

50過ぎて花の仕事を四半世紀以上もやってきて今更・・・・・。

さあ、ツルバキア。調べてみてくださいね。花図鑑を持っていなくてもネットでチャチャッと調べられるし。花屋さんで知らない花に出会ったら、是非是非、尋ねてみてくださいね。