「ソラとハナ。」皐月2024年。
2024.05.10
(ハナノヒト太田瑞穂さんによる月に一度の連載です。)
皐月。
ゴールデンウィークはお天気にも恵まれ、皆さん楽しくお過ごしになりましたか?私はいつも通りに過ごしていました。仕事も普段と変わらず、いや少し忙しいくらいで、週に一度の丸一日のお休みは朝から庭いじりに散歩。そして母の日前恒例の家事をすべてやり切っておく。とこんな感じでした。
母の日。
5月の第2日曜日は母の日です。毎年日にちが変わるから覚えられないわ。と花屋時代にお客様に言われたことがありましたっけ。ちょっとその気持ちわかります。花屋さんくらいですよね、年末にカレンダーを手に入れると「今年の母の日は何日だ?」と5月をチェックしてしまうのは。
子供がいないので「お母さんありがとう」と一度も言われることのない私ですが、「お母さんありがとう」と伝える相手はいます。私を産み育ててくれた母。私の大切な人の家人を産み育ててくれた母。私が最初に働いたお店のお母さんはもう亡くなっているけれど、やっぱり母の日に顔を思い出しては「ありがとう」と伝えたくなり花を手向けます。そしてもう一人、子供がいない私を陰ながら見守ってくれた子供のいなかった家人の叔母もなんとなく連絡を取り「ありがとう」を伝えます。
皆が赤いカーネーションを贈っていた時代はもう昔、今は様々な贈り物があるようです。母の日にほしいものランキングでは「自分の時間」が花よりもランクが上だったとか。食べ物にはすっかり負けてしまっていましたが、「自分の時間」という欲しいものに驚いた私です。みんな忙しいから仕方がないよね。
何を贈るとしても、お母さんに想いをよせて感謝するきっかけになる母の日はいいものだなあと思います。花屋の前でうろうろと偵察をする若い男性は、きっと最近パパになったのかしら。老人ホームに持っていくから手のかからないアレンジメントでというマダム。紫陽花が大好きなお母さまの車いすを押して一緒に花を選ぶ女性。新婚のご夫婦がお互いのお母さんの花を選びにきて楽しそうにしている。パパとお花を買いに来た子は自分のお財布から支払いをし「おまえ、お金貯めてるな~」とパパを驚かせる。みんなみんな「お母さんありがとう」のために一生懸命になっている姿を目にしていると「なんか、いいなあ~。」と思います。
母の日のことになると書きたいことが沢山ありすぎて、とっちらかった文章になりました。大変な時代だけど、今、自分がここにいることを感謝して。
「お母さん、ありがとう。」