「ソラとハナ」長月2024
2024.09.10
(ハナノヒト太田瑞穂さんによる月に一度の連載です)
長月。
蝉の声で目覚めていた朝が、鳥と虫の声にかわると晩夏だなあと思います。秋というには、この暑さ。お太り様の私にはまだ辛い。涼しい顔で汗をかかずに歩く人に出会うと不思議に思いながら扇子と手拭いが手放せない日々を過ごしています。
先月の流行り病の感染後、耳鳴りと味覚異常と臭覚異常と歯茎の腫れが2週間くらい続き、後遺症なのか、台風による気圧からなのか、夏バテなのか、やっぱり更年期か、わからないなあと思っていたら、ある日突然、晴れた朝にすべてが治っているミラクル。もうわからんとお手上げですが、元気になりました。
元気になると手つかずの荒れた庭やいつも飾る家の花が気になりゴソゴソと動き出すのでした。そう、今年は朝顔をしっかりと育ててみようと思っていたのに。
朝顔は秋の季語と言いますけれど、9月に入ってからまあよく咲いています。暑すぎるのよ、夏。朝顔、育てたことはありますか?たぶん小学生の頃、学校で種をまいて夏休みに持ち帰って、成長日記をつけたことがある方も多いと思います。小学生にもできるのだからと侮っていてこの数年。毎年あまりうまく咲いてくれず残念だったので、もう一度、朝顔の育て方をいろいろ調べて育てていました。いまさら・・・と思うでしょ。これが面白いのですよ。
種の袋に書いている育て方を読み、朝顔市関係の朝顔農家の方のサイトや朝顔好きの方のサイト、各種園芸サイトと最近のまとめサイトの果てまで読んでみました。わからん・・・・読めば読むほど育て方迷子。めんどうくさい・・・・・そう、そこ。種を蒔けば何とかなるけど、もう少し上を目指したい。
今年育てていてわかったことは、種を蒔く時期は天気予報を観ながらしっかり見極めること、肥吸葉(こえすいば)は大切ということ、摘芯重要、肥料はゆっくりじわじわと。年に一度しか育てられないから、いろいろ試しながら、還暦くらいまでにはうまく育てられるようになるかなあと思いました。気の長い話。江戸時代に大人気だったという朝顔、せっかく、東京に住んでいるのだから、現代の江戸の民として楽しんでいこうと思います。
我が家の猫の額ほどの庭は夏のお疲れ状態のままだけど、10月には手入れができるかなあ。なにせ暑さが引かないから。そうそう、先日サフランの球根を買ってきました。もう少し買い足し、母にも送ろうかと思います。昔サフランの球根を母と水をやらずに咲くなんて不思議だねえと一緒に眺めていたことを思い出したら。不思議を教えてくれた彼女が私の最初の園芸の師匠ですし、今回の朝顔の話をしたら「やっぱり人生一生勉強ね。学ぶことって多いわね。」と笑っていましたし。
暦に追いついて早く秋がやってこないかなあ・・・・・。