「楽園のカンヴァス」を読んだあとに。
2015.09.17
原田マハ著「楽園のカンヴァス」を読みました。
この小説は、2012年に山本周五郎賞を受賞し、
その優れた物語性や新しい文芸作品であることを認められた作品。
著者は、ニューヨーク近代美術館での勤務経験もあり、
フリーのキュレーターとしての経歴を持つため、
俄然、期待が高まって読み始めたのです。
ルソーとピカソが生涯を通じて抱えた秘密に触れるその物語は、
いまも大切に守られる美術作品の生涯を想像させる
素晴らしい美術ミステリーでございました。
もうその声を聴くことができないひとびとの
その作品への想いや背景に、想像を膨らませる。
美術館へ出掛けた時、
その作品と向かい会う気持ちが変わるような
そんな新しい視点を与えてくれた小説です。
芸術の秋を、謳歌しよう。