短歌のリズム。
2016.03.09
読書サロンの余韻からか、山田航編著「桜前線開架宣言」を読んでいます。
物語を読む体力がないときに、短歌のリズムはちょうどいいなと。
サブタイトルに、“Born after 1970 現代短歌日本代表”とあるように、
選ばれた歌人は、1970年から1991年に生まれた若き40名のひとたちです。
まず、まえがき(も、あとがきも)とても面白くて、これは読めると思えました。
・・・・・
困る。本当に困る。
何にって、ぼくが根っからの文学青年だと思われることだ、
知っていて当然かのように小説の話など振られるのは困る。
名作といわれている小説なんてろくに読んだことがない。
(略)
みんな、みんな、なんでそんなにたくさんの時間やページや言葉数を費やさないと、
何かが伝えられないと思っているんだ。
(略)
心が死んで短歌にしか反応できなくなっていた二十代半ばから、
ヒップホップが聞けるようになるくらいまで心が回復した三十過ぎまで。
この本はその期間に出会ってなんとなく気に入った歌人たちを四十人セレクトして、
紹介文を添えてささやかな現代短歌アンソロジーとしたものです。
(略)
・・・・・
そして、読み始めて好きになった歌。
≪手を振ってもらへたんだね良かつたねもう仰向けに眠れるんだね 石川美南≫
ひとつまたひとつと
響く歌が見つかるような
短歌のリズムがいいなと思える。