生命の緑の芽を。
2016.05.06
偉大な数学者であり、
数々の名随筆を遺した岡潔の著作「春風夏雨」を傍らに、
読んでは、ぼんやりと考えるということを続けています。
「生命」という章について一節をここに。
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計算機やタイプライターのキーをたたきすぎて病気になったあげく、
自殺する人があると聞いたことである。
(中略)初めにこう思った。
キーを打ちすぎると、大脳前頭葉がだめになって連想力が活発に働かなくなり、
何か一つのことを思いつめてくよくよするに至るのだと解釈した。
(中略)だから、タイプライターを打ち続けるというようなこと、
つまり微弱な、きれぎれの意志を働かせ続けるのは、
絶えず細かな振動を心の中心に与えていることになる。
きれぎれの音は不調和音であり、雑音である。
しかも小さい細菌ほど防ぎにくいように、
微弱な意志の雑音ほど防ぎにくい。
(中略)どうすれば、この生命の緑の芽をいきいきと保てるかであるが、
一つは塵にまみれたり虫に食われたりしないよう、よく保護すること、
もう一つは絶えずきれいな水を注いでやることであろう。
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窓の向こうにひろがる新緑や
風に任せる雲を眺めながら
頭に広がるイメージを大切にしようと思います。
パソコンやスマホが欠かせない生活に
天空から警鐘を鳴らしているのかな。
写真は、ある日の空。