映画「この世界の片隅に。」を観て
2016.11.17
またしても夫からの推薦で、「この世界の片隅に」を観てまいりました。
先の東京国際映画祭で観た夫から
その晩に、とうとうと聴いていた作品です。
ひさしぶりの立ち見。
2時間10分の間、ときどき足踏みしながらも
ずっとスクリーンに夢中になって観ておりました。
舞台は、昭和20年の広島・呉。
呉はそのころ日本海軍の一大拠点で、軍港の街として栄え、
世界最大の戦艦と謳われた「大和」も呉を母港としていました。
見知らぬ土地で、海軍勤務の文官・北條周作の妻となった
すずさんの日々を描いています。
「なんでも使うて暮らしつづけにゃならんのですけぇ、うちらは。」
という、すずさんのことばが耳に残ります。
戦争のことは、祖父からほんのすこし聴いていました。
亡くなるほんの少し前、まるで語りつぐことが責任を果たすことでもあるかのように
重い口を開いて孫たちに聴かせてくれました。
寺の住職として説教をよくしていた祖父は、
とても話上手でございましたので
その当時の様子を語るのも、まるで映画のように鮮やかに映ったことを覚えています。
あの戦争をくぐり抜けて生き抜いてくださった方のおかげで
いま私たちが、この世界に暮らしていられる。
脈々と続く生命のリレーが、どうかこの先も続きますように
祖父母を敬い、父母に感謝をこめて