まだ訪れたことのないインドで。
2017.04.17
実話をもとに製作され、数々の賞にノミネートされていた映画
「ライオン 25年目のただいま」を観てまいりました。
<失われた人生探しの先に、彼が目にしたものとは―?
『英国王のスピーチ』の製作陣が贈る、圧巻の感動ドラマ。
2012年、驚愕のニュースが世界を駆け廻った。5歳の時にインドで迷子になり、養子としてオーストラリアで育った青年サルーが、Google Earthと出会い、25年ぶりに家を見つけ出したというのだ。>
観る前は、5歳の時にインドで迷子になるというくだりに違和感を覚えつつ
「英国王のスピーチ」がいい作品だったので
夫とふたり、映画館へまいりました。
まず冒頭、5歳の少年の、年の離れた兄と生まれたばかりの妹と母との
4人でのインドの暮らしぶりをていねいにみせてくれました。
まだ訪れたことのないインド。
人口増加率が17%を超し、12億人のひとが暮らす国。
日本がここ数年自然減少をたどっているのに比べると
その勢いはまさに真逆の大国です。
知らずに乗った回送列車で連れられた先は、
言葉が通じない遠い遠い大都市でした。
片田舎で育った5歳の男の子がひとりで暮らすには、あまりにも厳しい環境です。
迷子になったというよりは、家へたどり着く手段が無かったということでしょうか
いまも、インドでは毎年8万人近い子どもが行方不明になっているという。
そのきっかけこそ違いますが、
さまよう子どもも珍しくなかったのだと理解しました。
遠く離れたオーストラリアの夫婦に育てられた青年は、
Google Earthを使って生まれ故郷を探し出す。
養子として育てられた養父母への感謝を胸に、
ひたすら自力で、かすかな記憶を頼りに日々探し続ける苦悩に
胸を締め付けられる気持ちで観ていました。
いまこうしていられることを
生まれた国やこの環境のことを
とても恵まれていると感謝したくなりました。
自分にできることは何だろう