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今日は十五夜。

2017.10.04

今日は十五夜。

晴れてお月さまがきれいに見られますよう

雲も流れて隠さないでね。

 

10月の詩のカードは、飯田蛇笏(いいだだこつ)より

ヒロイヨミ社さんに選んでいただけました。

 

飯田蛇笏は、1885年~1962年を生きた俳人。

ホトトギスで代表作家として活躍した。

この句について、出版社ふらんす堂サイトにて

ていねいな解説をみつけることができたのでここに引用いたします。

 

をりとりてはらりとおもきすすきかな  『山盧集』

 

はじめは「折りとりてはらりとおもき芒かな」と漢字とひらがなを混ぜた表記だったのを、漢字をすべてひらいて、現在の形になった。ひらがなの表記によって、芒のしなやかさを表しているとは、よく評されることだが、視覚的な表記ばかりではなく、音調の作り方においても隙のない一句である。「をり」「とり」「はらり」「おもき」「すすき」と、イの音で終わる語を重ねて、それでいてさりげない語の運びだ。また、上五は「をり」「とり」と動詞を連ねて引き締まった調子を出し、中七下五は「はらり」「おもき」「すすき」の三音の語をゆるやかにつなげ、緩急の流れをうまく付けている。まるで懐かしい童謡のように、時代を超えてこの句が私たちの胸に棲みつづけているのは、表記の面というよりもむしろ、口誦性によるところが大きいのではないか。

蛇笏の句はときに内容が複雑、難解に傾く ことがあるが、調べが詰屈になることはない。どこで引き締め、どこで緩めればよいか、蛇笏の天賦の才をもっとも感じるのは、その作品の韻律の良さに触れたときである。