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河原理子著「フランクル『夜と霧』への旅」

2020.06.09

『夜と霧』の前にその周辺をすこし歩いてみようと、この本に出会いました。

 

強制収容所体験の記録『夜と霧』をはじめ、

精神科医フランクルの著作が日本中で静かに読み継がれている。

越えがたい苦しみを抱えながら、フランクルの言葉を生きる支えとする人々と、

彼の人生をたどり、「それでも人生にイエスと言う」思想の深奥を追う。

フランクル『夜と霧』への旅

 

―そして人間は、苦悩を引き受けることができる。(中略)フランクルは、愛妻を亡くして抑鬱状態に陥った年配の医師の例を挙げて説明している。まずは、彼が体験したことを彼から奪うことは誰にも何にもできないのだということに、気づいてもらう。幸せな結婚生活だけでも彼の人生は意味があったし、これからも意味があり続けるのだ。さらに、もし自分が先に逝って妻が遺されたとしたら、その方がよかったのかどうか、彼に考えてもらった。妻がひとり遺されて苦しみ悲しむことにならずにすんだことに気がついた瞬間、彼の人生、彼の苦悩は突如として意味を取り戻した、とフランクルは語る。―

 

この話のどこまで分かっているのか、はなはだ怪しいけれど。

ひとは、自分の体験をひとに替わってもらうことは出来ないのだから

自分に降りかかったことは全部、引き受けるしかないのだとおもう。