柳田邦男「犠牲」
2021.05.13
柳田邦男「犠牲 わが息子・脳死の11日」を読みました。
1995年に単行本化されたご自分とその家族を赤裸々に綴るノンフィクション
脳死について、これまで深く考えたことはありませんでした。
脳死をひとの死とするかなど、考えてみたことも無かったのです。
いま、それをすこし考えたのかというと甚だあやしい程度ではありますが
読んでみて、読む前の自分とは明らかに変化したと感じることができました。
ー冷たい夏の日の夕方、25歳の青年が自死を図った。意識が戻らないまま彼は脳死状態に。生前、心を病みながらも自己犠牲に思いを馳せていた彼のため、父親は悩んだ末に臓器提供を決意する。医療や脳死問題にも造詣の深い著者が最愛の息子を喪って動揺し、苦しみ、生と死について考え抜いた11日間の感動の手記。