ソラの
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ソラとハナ。葉月

2022.08.10

(月に一度、ハナノヒト太田瑞穂さんによる全文寄稿です。)

葉月。

あまりに暑くて驚く。今日の気温は世界のどのあたりと一緒だろうと世界の天気をネットで開き、ドバイ?アブダビ?カタール?いやいやあちらは42度もあるらしく、やっぱりすごいなあとパタリと閉じる。そんなことをしたからといって涼しくなるわけでなし、窓の外の蝉の大合唱を聴きながら、ああ、エアコンとサーキュレーターがあるってことは本当に素晴らしいとありがたく思う毎日。そして雨が多いところの方々を思うと心は痛む、これも毎日。夏の花の産地がことごとく長雨、豪雨にやられていて、ああ、あの花を作っている方は大丈夫かしら、あのすばらしい桜を出荷してくれた方は、あの木を出荷してくれた方はと天気図をみながら思いを巡らす。皆様はすこやかにお過ごしですか?

花の話を書いてくださいとお話をいただいているソラとハナ。今回は花火のお話を書きたいと・・・空にあがる大輪の花だからいいかしら。私が育った長岡は花火が有名。華やかな長岡の花火は慰霊と復興と平和を願う花火なので毎年8月2日3日が長岡花火と決まっている。昭和20年8月1日22:30から翌日の0:30まで、長岡は大空襲にあった。長岡っ子は必ずこの空襲の話を家族や学校で学ぶ。そして長岡花火がその慰霊の花火だと知って育つ。今年も長岡花火前日8月1日22時30分に慰霊と平和の花火「白菊」が上がった。長岡の花火師嘉瀬さんが創り出した美しい白菊という花火。この花火は長岡花火のなかでも大切な1発なのだ。

白菊。ほら、菊。花の名前がでてきた。打ち上げ花火の形の種類には植物の名前がついているものがある。今回の写真の白菊は「菊」という種類。菊の花のようにまん丸からすぅーっと尾を引くように花が咲く。その菊が地上まで垂れ下がるように尾を引く花火は「冠菊・かむろきく」。尾を引かずに飛び散るように開く「牡丹」。ヤシの葉のように太い力強くのびる「椰子」。余韻を残すように流れ落ちる「柳」。すこし頭の中に霞のかかる認知症の父は夜空を見上げ「おお~、いい小割千輪菊だな~。」と肩を並べる母に自慢げに話をしていて、花火の話には煙も雲も霞もかからないのだなあと思いながら私達姉妹も一緒に花火を観ていました。

そうそう、母に聞かれたこと。「貴女、1週間近く留守にして庭の花は大丈夫なの??東京は暑くて可哀そうに。」ご心配には及びません。野菜の入っていた発泡スチロールの箱やバケツや花桶に5センチくらい水をはり、出かける前にたっぷり水をやった鉢をつけてきましたら。それにすべての植物を日陰に移してきましたから。ついでに隣の庭友マダムにもちょっぴり話をしておきましたから。だから、庭友マダム側の日陰に鉢を移してあったりする。美味しい長岡の和菓子をお土産に持っていきますから。