ソラの
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「ソラとハナ。」師走

2022.12.12

(ハナノヒト太田瑞穂さんによる月に一度の連載です。)

師走

11月に今年は三の酉まであるのねと最後の酉の市で熊手を迎えて、待降節だとアドベントカレンダーを買い、毎日扉を開けて可愛いと喜ぶ。近所の柚子の木も金柑もレモンもいい色に色づいてきて冬の青空に映えるし、道を歩けばクリスマスホーリーや南天も赤い実を沢山つけている。我が家の庭も可愛らしいパンジーの苗を植え終わり、バラも剪定して冬支度は終了。皆様、すこやかにお過ごしですか?

12月になると花の仕事は大忙しでクリスマスの仕事をしながら1年の締めくくり松市と千両市がやってきます。お正月に飾る松と千両はこの市で決まるのです。松はわかるけど千両って???という方が増えてきたような気がする昨今。千両は緑のきれいな葉につやっとしたプリプリ粒粒の朱赤の実が沢山ついていて、くる年がお金に困らないようにとその名前千両から縁起のいい枝ものとして飾ります。黄色い実やオレンジ、濃い赤の実の千両もあり、こちらも人気があります。

さて、暮れはお正月に歳神様を迎える支度として花を飾ります。我が家は毎年お正月の花は決まっていて、松と千両と日本水仙。いろいろ飾ったのですが、もうかれこれ10年以上これを続けています。松もいろいろな種類があって、黒松(雄松)の若松、根引松、三光松、寿松。赤松(雌松)の女松、蛇の目松。五葉松に大王松。その中のお店で残った松が我が家にやってくるという・・・、残り物には福があると思い続けて30年。お金は大切と赤い実の千両は必ず。日本水仙は寒い季節にすっと咲く姿が大好きで香りがとてもいいから。元日の静かな朝、この香りが家の中に広がると1年が始まったぞと気が引き締まります。でも一番の理由は家人がこの日本水仙がなぜかとても好きだということかもしれませんね。いつも「いってらっしゃいの花」の飾っている玄関の靴箱の上にいつもの花瓶。塗りのお盆に懐紙を敷いて、水引も一緒にと少しだけ特別に。でも大忙しで飾るので前もって掃除と飾るものは出して準備はしておくのだけれど。

お正月の花を飾る日は、縁起を担ぐ方は末広がりの八の字がつく28日の大安吉日に、30日先勝の午前中に飾るといいでしょう。そうするとお花を買うのは前日の27日か29日にゆったりと。お家に帰って花や枝をしっかり休ませ水をのませてあげて下さいね。花も花屋からお家への旅で疲れていますから。ちなみに29日は「くんち飾り・苦日飾り」と言って数字の9と苦をかけて避ける方もいらっしゃいます。お飾りもこの縁起担ぎをする方が多いよう。そんなことをお伝えしているのに、私は毎年一夜飾りになってしまいます。31日に飾る一夜飾りはいけないと言われるけれど、すこし落ち着いて気持ちを込めて飾れば歳神様に伝わると思っているので気にせずに。皆様よいお年をお迎えください。