ソラの
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「ソラとハナ。」如月

2023.02.10

(ハナノヒト太田瑞穂さんの月に一度の連載です)

如月。

梅見月(うめみつき)、草木張月(くさきはりつき)ともいう2月。衣を重ね着するほど寒い衣更着(きさらぎ)がやっぱりしっくりくるかしら。でも散歩道では黄色い蝋梅が綺麗に咲きほころび鼻を近づけていい香りを確かめたくなり、日本水仙がたくさん並んで咲いているとこれまたいい香りだわと深呼吸。クリスマスローズも素敵だし、ミモザは日当たりのよいところでは咲き始め、梅の蕾がふっくら。立春は春の気配が立ち始めるというけれど、歩いていると春を見つけることができる今日この頃の東京です。皆様、すこやかにお過ごしですか?

なかなか花のある散歩道がないのよという方、街の中でも簡単に春を沢山感じられるワクワクする場所があります。さあ、どこでしょう。

それは花屋さん。この季節の花屋は本当におすすめです。「そりゃあもちろん、そうでしょうとも。」という声が聞こえてきそうですが、花屋の人もこの季節は仕入れたくなる春の花が目白押しだからちょっとワクワクしているし。チューリップ、アネモネ、スイートピー、ラナンキュラス、ヒヤシンスとおなじみの花、花枝もこぶし、まんさく、雪柳、コデマリ、啓翁桜などなど、花屋の店の中が本当に賑やか。そして花屋の仕事もすこし落ち着いているから話しかけやすい。な~んて言ったら花屋さん達に怒られちゃうかしら。

実は今年、ソラさんには意識をしていろいろなチューリップを生けています。チューリップといっても品種が沢山。子どもの頃に歌ったチューリップの歌「あか、しろ、きいろ~」のイメージとは違うの。是非是非ソラさんのお客様にも様々なチューリップから春を感じてもらいたいから。ブラウン系とか、黒っぽい赤とか、アンニュイな色合いの複色とか。咲き方も面白いし。もう買い占めたい~~~~~と思いながらぐっとこらえて毎週欠かさずチューリップ。

チューリップは気まぐれで自由な花だから、飾っていると茎がぐーんと伸びてきて、あっちを向いたり、こっちを向いたり、ぶわ~んと垂れ下がってみたり。それもお楽しみのひとつです。違う花瓶に生けなおしてもいいし、少し短く切り戻すこともいいと思う。普段だったら「めんどくさいなあ」と感じてしまうかもしれない生けなおす時間も、チューリップのユーモラスな動きに翻弄されて春を感じて笑顔になっちゃうから。私もいつも生けながら「もう、自由なんだから~」と独り言を言っています。でも笑顔なんだよね、そんなとき。翻弄されたくなる小悪魔的なチューリップを皆様も是非。