「虫眼とアニ眼」養老孟子・宮﨑駿
2023.09.09
いま持ち歩いて何度も読み返している本。「虫眼とアニ眼」養老孟子・宮﨑駿(新潮文庫)は、青山ブックセンターに行かなければ出会えなかった本でした。この頃は、もっぱら指名買いのAmazonばかりだったので、書店へ出向き本の表紙を眺めて歩く時間も、やっぱり必要だと改めて感じる。宮崎駿作品が大好きなのと、養老孟子さんの言葉に何度もうなづいてきた私は、見つけたとき迷うことなく手に取っていました。読めば、溜飲が下がる言葉があちこちにあり。
―宮﨑 本当にその通りですね。先はどうなるかわからない。それこそが生きているってことですね。まあ、人生そうたいしたことは起こらないって決めて生きれば、ずいぶん気がラクですよ。それでも生きるに値することってあるんです。ワクワクすることも出てくる。そんなに先のことが見えないと生きられないのか問いたいですね。これまでだって、先なんか見えてた例がないじゃない。-なんだか希望が湧いてくるような、捨て鉢なような、面白い結論になってきましたね(笑)
―養老 どうしてどうして、「お先真っ暗」でいいじゃないですか。だからこの世は面白いんですよ。(1997年12月 都内ホテルにて)