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「ショートケーキは背中から」その2

2024.09.02

平野紗季子著「ショートケーキは背中から」を読んで、その2。

食べたものが体内で消化されて、なくなるということはあまりにも当たり前すぎて、これまで一度もなんとも感じたことはありませんでした。ま、食べたもので生きている、という自覚を持ったことはある。でも、目の前の料理が、自分に食べられることで消えてしまう(から、それを記録しようとか、残しておくために、ちゃんと分類しておこう)なんて、想像すら浮かばない。世界のどこで、何に気づくか。それが、そのひとの個性を輝かせるのだ。

―子供の頃から、食べものが消えものであることに抗いたい人間だった。食日記をつけ始めたのも、食べたら消えてしまう対象をなんとか残しておきたくて、メモするようになったのが始まりだ。(続く)