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「ショートケーキは背中から」その4。

2024.09.06

平野紗季子著「ショートケーキは背中から」の一節より。

―いい食体験に出会うと、帰り道しばらく歩きたくなる。腹ごなしという理由ではなくて、夢よ終わらないでと願うあまり、タクシーや電車に乗りたくなくなるのだ。あの時ばかりは世界はなんて美しいのだろう、と無防備に思ったりする。(続く)

うんうんわかるわかる(と脳内で強く共感したのでした。)私の場合は、「食」より「映画」で、この気分になったことがありました。どの作品だったか忘れちゃったのですが、そのときはまだ会社員で、半休をとって映画やエステに行く日を月に一度くらい作っていました。鑑賞後、ランチを摂るのも忘れて、しばらく街のなかを勢いよく歩いていたのを思い出しました。陽射しを浴びた、街路樹がキラキラしていたなあと、断片的な記憶が浮かびます。

読書のたのしみは、読む前の自分には戻れない!とても個人的な体験にある。