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凪良ゆう著「わたしの美しい庭」

2024.12.11

凪良ゆう作品の登場人物たちが好きです。「美しい彼」シリーズをきっかけに、いくつか梯子してたどり着いた「わたしの美しい庭」

小学生の百音と統理はふたり暮らし。朝になると同じマンションに住む路有が遊びにきて、三人でご飯を食べる。百音と統理は血がつながっておらず、その生活を“変わっている”という人もいるけれど、日々楽しく過ごしている。三人が住むマンションの屋上には小さな神社があり、断ち物の神さまが祀られている。悪癖、気鬱となる悪いご縁を断ち切ってくれるといい、“いろんなもの”が心に絡んでしまった人がやってくるが―

つい先日観た番組、NHK「山口一郎“うつ”からの再出発」が記憶に新しいこともあって、この一節が沁みました。できるだけ、自分にやさしく、自分を解放しながら暮らせますように。

―縁を切りたいもの―。これをお祓い箱に入れようかと思ったが、やめた。これは今の自分を支えてくれているものなので切れない。じゃあ、なにを切ろう。考えたが、切るものなどなにもなかった。うつになってから、あらゆるものと縁が切れていった。それらが、本当に必要なのかどうか。もう一度縁を結びたいものなのかどうか。見極めるにはもう少し時間がかかるようだ。