芸術と民芸を自由に。
2014.11.15
先日、竹橋にある近代美術館へ出掛けて参りました。
〝菱田春草展〟を観るつもりでしたが会期終了しており、
常設展と工芸館で開催中の〝青磁のいま〟へ。
いまから、1,000年もむかしに焼かれた器の数々を
人もまばらな館内で贅沢に観ることができました。
中国、南宋時代に遺された、国の重要美術品から、
現代に活躍される国内の陶芸家たちのものまで
青磁で表現される幅の広さを感じられる展示になっています。
わたしは、なぜかこの陶芸品を観るのが好きです。
その時代を頭に想像しながら、
静かに目に入ってくるそれらを眺めていると
手のぬくもりが伝わってくるような気がするからか。
歴史的に貴重な作品や、
生活の道具にはなり辛い様相のものは
やはり美術館にこそふさわしい。
陶芸品には、
芸術と民芸の両方を行き来できる良さがあると思います。
普段使いの茶碗ひとつが、
世が世なら芸術品とあがめられることがあるやもしれぬ。
作者とそれを好んだひととの関係ですね。
りっぱに並べられた大振りな器の横に、
ちょこんと我が家のお猪口が置かれることを空想したり。
ま、そんなことは起こりませんから
気を取り直して、
目の前の美術品たちを、
美しいなぁきれいだなぁとまた感心してみたり。
公園の紅葉も美しいころ。
お出かけが気持ちのいい週末になりそうです。