ソラの
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「ボタンとリボン」より

2014.02.01

レモンエアラインを読まれた方から、

永井宏さんのものに近いね。とか

それを思い出させるね。というコメントを

何人かの方にいただいたのをきっかけに、

ボタンとリボン」を読んでいます。

 

その本「ボタンとリボン」のこと、リーフレットでこんな風に紹介されてました。

 

‘見つけてきたものを言葉に変える。

雑貨、カフェ、インテリア、料理、お菓子、手作り、庭、菜園、本、音楽、服、恋、

どれだけ好きになってきたものがあったのだろう。

海辺の小さな町に集められ、発信された、詩や散文、

そして、自分の中にあるアートを探し始めてみようと語りだした本’

 

見つけてきたものを言葉にかえるって、

いいな。

わたしでも、誰でも自分の言葉にかえることならできるもの。

 

そして、編纂されたいくつかの文の中に、

すこし気持ちや目の前の景色が変わるような詩を

見つけました。

 

あたらしい月のはじまりに。

・・・・・

村椿菜文 作 「神様は7日目に休んだ」

 

さんざんな目に遭ったと打ちのめされて、元気もカラゲンキも木端みじんに吹き飛んで

3日間部屋の中でごろごろした

ごろごろ転がりながら

どうしてこんな目に、と思ったり

どこでなにを間違ったんだろう、と思ったり

いつまでこんなことが続くんだろう、と思ったり

いっそぜんぶ清算しちゃおうか、と思ったり

清算なんてできるわけないじゃん、と思ったり

ああほんとうにさんざんな目に遭った、と思ったり

同じところをごろごろ転がっているだけなので

考えることも同じところをごろごろ転がっているだけだった

4日目に、友だちに会いにいった

友だちに、さんざんな目に遭ってるよ、とぶちまけて、泣いたりもして、家に帰って寝た

少しお酒を飲んで、たくさん泣いたので、頭が痛くなったのだ

5日目に、いつものように朝起きて、ああほんとうにさんざんな目に遭った、

と思った

それだけ

6日目に、ごろごろ転がり続けて散らかった部屋を片付けて

棚の上のホコリを拭いて、玄関をよく掃いて、ドアを開けて外に出て、車に

乗って出かけた

夕日が沈みかけた海岸線を何も考えずに車で走っていたら

空っぽの頭がふいに「人生はいとしい」と言った

どうして急にそんなことを思ったのかわからない

夕日がきれいだったから

海岸沿いに並ぶ松の木がたくましかったから

ひとりの車の中で大きな声で歌を歌ったから

理由はいくつか考えられるけれど、そのどれとも関係なく、

言葉が勝手に降りてきた感じだった

勝手に降りてきた言葉にはひどく説得力があって、

有無をいわせずあたしにわからせた

涙が出そうな気持で眩しい光の中をぐんぐん走った

さんざんなこともあるけど、人生はいとしいのだ

神様は6日間かけて天地創造をやって、7日目に休んだ

あたしは6日間かけて、人生がいとしいことを知った

明日1日休んで、このことはもう終わりにしよう

また新しいさんざんなことはあるだろうけど、でもこのことは終わりにしよう

それが、あたしのこの1週間。

・・・・・

201401302