飛び去ろう、チューリップ。
2015.03.25
今日は、この詩を。
先日の読書サロンで、山元伸子さんが選んでくださった一篇です。
あの日に持ち帰ったチューリップが、
ほんとうにいま、飛び去ろうとしているから。
・・・・・
「チューリップ」征矢泰子
さくためにはみずすいあげてすいあげてひたすらすいあげて
さききった先端からゆっくりとすきとおり
はなびらははねになっていく
ゆうべはたしかにはな だったが
けさおきてみるともう
とりになって とびさってしまっていた
くらしによごれたテーブル・クロスのうえに
ぬけおちたはねだけをのこして
はなはいつもひとよりも勇気がある
・・・・・
この詩を紡いだひと、詩人・征矢泰子のこと、実はほとんど知りません。
いまの時代はとても便利で、
知りたいことは検索すれば、
ほとんどのものが何かしら解るようになりました。
何も知らないではじめてこの詩を読んだときの感動と
ほんのちょっぴり検索した後で読み直したときの感動とは
やはり響きかたが違うような気がします。
こちらに、よく書かれています。
「詩のある暮らし。」