少女の面影。
2016.03.06
先日に続いて窪美澄 著作
角川書店発行「水やりは いつも深夜だけど」を読了いたしました。
amazonで著者名検索した折に、
その表紙に目を奪われたのがきっかけでございます。
その日のうちに、商品が届くというのはなんと素晴らしいことでしょう。
そのときは、書店へ寄れるかはっきりしていなかったので、
まずは一冊、この作品をぽちっと決めて出かけておりました。
帯には、こう書かれています。
同じ幼稚園に子どもを通わせる家々の、
もがきながらも前を向いて生きる姿を描いた、魂ゆさぶる5つの物語。
わたしたち夫婦には、子どもはおりませんので
幼稚園で過ごす時間も、大人同士の交流やおつきあいも経験ありませんが、
描写は、まるですぐ近くに暮らす家族があるかのようなリアリティ。
それぞれに起きていることが、事実ではないかと錯覚してしまうほど
じわじわと迫るものがありました。
その家族には、それぞれいろんな事情がありました。
それでも、今日も生きている。
読後感は、晴れた青空を眺めるような清々とした気持ちです。
表紙の女の子は、石川祐樹 写真集「蝶々の心臓」より選ばれた一枚。
石川祐樹さんのお嬢さんは、生まれつき心臓に疾患をもっていました。
それは、成長過程を記録する中で、生まれた写真集。
小説を手にしたとき、2014年に開催された写真展での気持が蘇ってきたのです。
「日々の小さな幸せは、実は奇跡の連続なのだと気づかせてくれる。(川内倫子より)」