「日本の家」を観る。
2017.09.30
お客さまからいただいたチケットを握り、東京国立近代美術館で開催中の
「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」へ行ってまいりました。
大戦後、燃えてしまった家屋の再建に
祖父母や父母がどれほど苦労して、
どれほどの工夫や助け合いのなかで築いてきたのだろう。
風土を活かし環境になじむ、経済性と快適性を追求してきた家々を眺めます。
セメントの活用によって生まれた近代建築。
数億年前に尽きたいのちが、石炭石となってふたたび私たちの暮らしを助けてくれるとは
いやはや、人間は、この星の恵みを受けるばかりでございます。
それにしても、1952年に設計された清家清の原寸大模型が見事でした。
縁側、居間、食事室、客間がひとつながりの空間になって
床に足を滑らせてもまるで一枚の板のようになめらかで、
敷居の凹凸ですら、やわらかく心地よい。
引き戸を開けはなして、縁側に座り庭を眺める主人を想像し
網戸のなかったあのころは、蚊帳の中がたのしかったなあと思い出しておりました。
「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」展は、10/29(日)まで開催中。