雨に救われる。
2020.05.19
今週は、雨の日が多いらしい。
いまだからか、この雨に救われるような心地です。
運動不足は否めないけれど、
積んであった本を引っ張りだしては平行して読むこともできる。
読み直した本の、同じところに目が留まるのも
なかなかどうして発見である。
―かけがいのない自分、というきれいごとを歌った歌よりも、くだらない自分というものと何とか折り合いをつけなければならないよ、それが人生だよ、という歌がもしあれば、ぜひ聞いてみたい。
ただ、私たちの人生がくだらないからこそ、できることがある。
ずっと前に、ネットで見かけた短い文章に感嘆したことがある。こう問いかける書き込みがあった。カネより大事なものはない。あれば教えてほしい。これに対し、こう答えたものがいた。カネより大事なものがないんだったら、それで何も買えないだろ。おお、これが「論破」というものか、と思った。
私たちの人生が、もし何よりも大切な、かけがえのないものであるならば、それを捨てることができなくなる。-
岸政彦著「断片的なものの社会学」より