「NOMADLAND」
2021.04.09
映画「NOMADLAND」を観ました。
まるでノンフィクションのいまを覗いているような気分になりました。
「ファーゴ」「スリー・ビルボード」も観ていないので
フランシス・マクドーマンドまで、実際にこの暮らしを続ける本人のように見えてくるのです。
企業の破たんと共に、長年住み慣れたネバタ州の住居も失ったファーンは、キャンピングカーに亡き夫との思い出を詰め込んで、〈現代のノマド=遊牧民〉として、季節労働の現場を渡り歩く。その日、その日を懸命に乗り越えながら、往く先々で出会うノマドたちとの心の交流と共に、誇りを持った彼女の自由な旅は続いていく──。
それにしても、アメリカは広い。
見渡す限り荒涼とした砂漠が広がるシーンが何度も現れるのに
それが同じ場所ではなく
キャンピングカーで走りに走ったその先の風景なのだ。
テレビで見慣れたニューヨークなどの都会は一度も現れず
行けども行けども大陸のなか、荒野や海や、遠くにそびえる山々が画面を覆う
ホームレスになったのかと少女に聞かれたとき、
ホームレスでなくハウスレスだと答えたファーンに芯がみえた。