ソラの
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三日月キャンディー/レモンエアライン1212便

2012.12.12 Wednesday

冬の夜。

静まりかえった空気。

液体のような夜空。

自分の足音だけが跳ね返ってくる。

 

とても忙しい日だった。

いくつかの打ち合わせと、いくつかの心配ごと。

それらを引きずるようにして、今日も1日が終わろうとしている。

空腹をごまかすために、パイン味のキャンディーを口に放り込む。

自分の足音にパイン味がミックスされる。

パイン味、足音、パイン味、足音…。

 

ゆっくりと通りを横切る猫を発見。

どこへ向かっているのだろう。

夜のパトロールも猫の仕事なのだ。

 

口の中の丸いキャンディーは次第に小さくなって、ついに半分になった。

顔を上げると、夜空に浮かんだ小さな三日月と目があう。

キャンディーと三日月は、同じカタチになっていた。

私は三日月の味を知った。

私は宇宙と一体になった。

 

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シラスアキコ(コラムニスト)

クリエイティブユニット「color/カラー」(www.color-81.com)の

コピーライター・クリエイティブディレクターとして活動。

「モノ語りのあるモノづくり」を大切に、

企業のブランディングから商品開発、プロダクトデザインの企画、

広告制作、ラジオCMなどを手がける。

60年代の日本映画とフランス映画、赤ワインが好物。

 

*レモンエアラインは、毎週水曜日に出航です。

こころがふうわりと浮遊する軽やかなじかんを、お楽しみください。*

 

GINZA No.187 12/12売号

2012.12.12 Wednesday

P31

映画「100万回生きたねこ」

2012.12.11 Tuesday

佐野洋子さんの絵本は、子どものころから今に至るまで何度も読んでいます。

 

こちらの映画は、佐野洋子さんの声や、作品が随所に盛り込まれ、

いろいろなことを感じたり、考えたりすることができる作品になっていました。

まだ、これから観られる方もいらっしゃいますので、

ここであまり多くのことを語るのは野暮ですね。

 

印象的な言葉がたくさんありました。

 

「伝える」ことと、「伝わる」ことは大きく違います。

絵本は、その絵本を読むことで、

映画は、その映画を観ることで、

自分自身のカラダに沁み込むものでしょう。

 

たわいもないこと、ほんの小さなことでも、

気がつけることを、しあわせだと感じます。

 

ファンデーション要らず。

2012.12.10 Monday

トリートメント終了後、ご自分のお肌を手のひらでお肌の変化を

なんども確かめていらっしゃる方が多くいらっしゃいます。

そして、そのときのお顔がとても柔らかい表情なので、いつもそれが嬉しくて。

ちょっぴり幸せそうなそのお顔を見られることが、喜びでございます。

 

お仕上げの整肌では、美容液の後、アイクリームの後、蓋代わりのクリームの後、

とお肌に重ねるたびに、ゆっくりゆっくり

ツボ押しや、目の周りの手技、ヘッドマッサージなどの

そのときに一番効果が出るマッサージを行います。

重ねていくクリームは、つけてすぐ上から重ねても効果は引き出せませんので

こうして、ゆっくりゆっくり、そのときに一番効果が出るマッサージをしながら、

お肌に浸透したことを見て、次のクリームを重ねていくのです。

 

終了後、ふっくらとハリのある色艶のいいお肌を、ご覧になると

ファンデーションを重ねるのがもったいないと言われる方が

たくさんいらっしゃいます。

日中でしたら、日焼け止め効果のあるクリームでお仕上げしていますので、

眉を少し整えたら、そのままお帰りになれます。

 

きっとお肌も、ときどき深呼吸したくなるのでしょうね。

夕焼けの効能。

2012.12.08 Saturday

夕焼けを見ていると、気持ちが落ち着くような気がいたします。

温かみのある色で空一面がグラデーションに染まるひととき。

少し目を離しただけなのに、もう、先ほどの空と違う表情に変化して、

その変化を眺めていることも、またいいもの。

そして、すぐに空は闇に覆われて、一番星が輝き始める。

 

ずいぶん前に亡くなりました祖母の病室に置いてあった「お見舞い日誌」に

こんなことが書いてあったのを思い出しました。

―あら、もう暗くなっちゃったの。まだ、色が出来ていないのに―

(祖母は、夕焼け色の空を描こうとして、絵の具を混ぜていたんですね)

 

ココロの休憩所。

2012.12.07 Friday

この1週間で、一番うれしかったことを思い出してみる。

 

目覚ましのベルが鳴る前に起きられたこと。

コーヒーをいつもより美味しく淹れられた午後。

気が置けない仲間とのひととき。

居心地のいい空間でおいしい食事をいただく瞬間。

風を感じながら走っている朝。

12月3日12時3分に遭遇したこと。

誰にも邪魔されないバスタイム。

落し物が戻ってきたこと。

 

うれしいことを思い出すと、何故かほっこりいたします。

でも、うれしいことを思い出せないときも、どうぞがっかりしないでください。

その振り返りのひとときこそが、ココロが休憩している時間かもしれません。

 

そして、ソラでのトリートメントが、あなたのココロの休憩所になれますように。

勘三郎さんの死を。

2012.12.07 Friday

ものすごくたくさんの時間を、メディアは勘三郎さんのことでいっぱいにしています。

勘三郎さん。

歌舞伎は、まったく知らないと言っていいほどの知識しかございませんが、

運よく、ほんとうに運よく、去年、勘三郎さんの舞台は一度、拝見したことがございます。

 

「文七元結」

イキイキと舞台を縦横無尽に駆け巡って、伸びやかなお声で演じられているお姿が、

昨日のことのように思い出されます。

そして、ほんとうに大笑いながら、涙をこぼしながら観ていたことを思い出します。

こういう偉大な方の死を知ると、

改めて、ヒトは『死』という当たり前のことに気づかされるんですね。

 

 

生きていることを、いつもより少し、考えることができそうな気がします。

 

夜のソラ。

2012.12.06 Thursday

ソラの夜は、しんと静かな闇。

それはそれは、夜という言葉にふさわしい時間です。

昼間の明るさのように煌々とした看板や、イルミネーションもここにはありません。

それに、通りを歩く足音のほかに音らしい音が無くなるのです。

緑地で遊ぶ小鳥たちのさえずりや、ときおり聞こえるおしゃべりも無い、闇の静寂。

トリートメント中には、かけるかすかな音楽を遠くで感じながら、

ベッドでゆっくりおやすみいただけます。

ファーストフライト/レモンエアライン1205便

2012.12.05 Wednesday

アテンションプリーズ。

レモンエアラインの初フライトへようこそ。

 

機体はぐんぐんと上昇しています。

家並みや、ビルディング、犬と散歩するひとが、

小さくなっていくにつれ、

あなたの胸の窓はぐんぐん開かれていきます。

 

分厚い雲の大群を掻き分けて、

ほっかりと澄み切った青空に抜けました。

そこには生まれたての空気、

希望のようなヒカリに満ちています。

 

レモンエアライン。

ここに浮かび上がる言葉の数々が、

気流に乗ってあなたに届きますように。

 

そして言葉たちが、

あなたの気持ちをちょっとだけ

ふうわりと軽くする成分と変化しますように。

 

言葉にはカタチがありません。

触ることもできません。

だからソラに飛ばします。

 

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シラスアキコ(コラムニスト)

クリエイティブユニット「color/カラー」(www.color-81.com)の

コピーライター・クリエイティブディレクターとして活動。

「モノ語りのあるモノづくり」を大切に、

企業のブランディングから商品開発、プロダクトデザインの企画、

広告制作、ラジオCMなどを手がける。

60年代の日本映画とフランス映画、赤ワインが好物。

 

*レモンエアラインは、毎週水曜日に出航です。

こころがふうわりと浮遊する軽やかなじかんを、お楽しみください。*

 

うれしいこと。

2012.12.04 Tuesday

よく、トリートメント後のお肌を、ご自分の手のひらで確かめていただきます。

しっとりとうるおって、いつもよりお肌がふっくらしているのを実感されたとき、

なんとも言えず幸せな表情をされるんです。

そのお顔を拝見すると、ほんとうに心からうれしくて。

このお仕事に、いつも感謝しています。

わたしたちの手のひらは、おひとりおひとりのお肌の状態を指先をセンサーのようにして、

確かめながら加減して、確かめながら時には手技の回数を調整しています。

 

この手のひらには、「手当て」というココロが隠れているのです。

 

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